AGA(Androgenetic Alopecia)
AGAとは、「男性型脱毛症」の略で、男性に最も多く見られる脱毛症のことです。実に成人男性の4人に1人がAGA(またはAGA予備軍)といわれています。
AGAは他の脱毛症とは異なり、思春期以降に額の生え際や頭頂部の髪のどちらか一方、または双方から薄くなり進行していきます。細くて短い髪の毛が多くなり、全体として薄毛が目立つようになります。男性ホルモンの一種ジヒドロテストステロン(DHT)により、髪の毛の成長サイクルが短くなるため、髪の毛はしっかり育たない状態のまま、細くて短いうちに抜けてしまいます。そのためうす毛となっていくのです。
AGAは進行性です。何もしないでいると徐々に進んでいきますので、進行を抑えるためには早めのケアが重要です。AGAは、毛包が存在している限り髪の毛は太く長く育つ可能性がありますのであきらめる必要はありません。薄毛や抜け毛が気になる場合は、早めに治療を受けましょう。
AGAセルフチェック
AGAでは、DHT(ジヒドロテストステロン)が原因で、ヘアサイクルの成長期が短くなります。
こんな人は要注意!自己チェックをしてみましょう。
- 家族に髪の毛の薄い人はいますか?
- 両親、兄弟、祖父母に髪の薄い人がいる
- 抜け毛が気になりますか?
- シャンプーやブラッシングした時の抜け毛や、枕元に残った抜け毛が多くなり気になる。
- いつ頃から抜け始めましたか?
- 思春期より後になってから抜け始め、徐々にうす毛が進行している。
- どの部位から抜け始めましたか?
- 額の生え際が後退してきた
- 頭頂部の髪の毛が薄くなった
- 額の生え際と頭頂部の両方が抜け始めた
- 髪の毛にハリがありますか?
- 産毛のような細くて短い髪の毛が多くなり、ハリ・コシがなくなった
飲むタイプの治療薬
プロペシア、ザガーロはAGAの原因となるDHT(ジヒドロテストステロン)の産生を阻害する働きがあり、薄毛の進行を抑制する効果が期待される治療薬です。
服用を初めてから3ヶ月ほどで、抜け毛の減少や生え際に産毛が目立つようになってきます。その後半年ほどで、産毛が太くなっていき薄毛が目立たなくなり始めます。
さらに服用を続けて1年が経過すると、髪のボリュームがアップしたなどの変化を実感します。
飲み薬の治療薬としては、フェナステリド(=一般名プロペシア ※保険適用外)、ザガーロ(=一般名デュタステリド ※保険適用外)があります。
これらは、テストステロンという男性ホルモンをDHTに変換する酵素(5α-還元酵素)を阻害することにより、AGAの原因となるDHTの産生を阻害して抜け毛を減らします。
期待される効果としては
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内服開始~3ヶ月
抜け毛の減少・生え際のうぶ毛の増加
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4ヶ月~6ヶ月
うぶ毛が太くなり伸びる・うす毛が目立たなくなりはじめる
・・・この頃には周囲の人にもわかるようになりはじめます
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6ヶ月~1年
明らかな抜け毛の減少・毛髪のボリュームを感じる・後退していた生え際が前進する・4人に1人は効果を実感する
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1年~3年
うす毛が徐々に減る・4人に3人は効果を実感する・それまで改善のなかった部位も改善しはじめる
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4年~
改善した毛髪が維持される
当然ですが、効果には個人差があります。
頭皮につけるタイプの治療薬
塩化カルプロニウム(=一般名フロジンなど)
フロジンは皮膚の血管を拡張して血流をよくする作用があり、頭皮に塗れば機能低下状態にある毛根が活発になり、脱毛防止・発毛促進につながります。保険適応下では円形脱毛症・白斑症などの治療薬として使用されています。
ただし塩化カルプロニウム含有率5%のフロジン液は医師の処方箋が必要なため、一般のドラッグストアなどでの購入はできません。
また、残念ながらAGAへの保険適応もありません。低濃度に配合されている育毛剤(カロヤンアポジカやカロヤンガッシュ、濃度1~2%)であればドラッグストアなどでも購入可能です。
ミノキシジル
もうひとつの塗り薬としては、有名なミノキシジル配合のリアップ(その他様々あり)があります。
直接毛母細胞に働きかけ、毛母の細胞分裂を活性かさせ、髪成長を早める働きをします。半年位塗れば効果が出るようですが、現実には塗り薬単独で患者様の満足される様な効果を出すことは難しいと思われます(塗り薬はかぶれてしまって使用できないという場合もあります)。